ペコリンゴ

火星人メルカーノのペコリンゴのレビュー・感想・評価

火星人メルカーノ(2002年製作の映画)
3.4
記録。
黒く奇妙な地球人。

2002年のアルゼンチン製SFアニメーション。ジャケ写を見ての通り、クセのあるキャラデザが印象的で風刺的な内容が特徴。

本作の主役メルカーノは火星人。
散歩中に地球の宇宙探査機にペットを殺された彼は復讐心を胸に地球に来襲を試みるもあえなく墜落。そこは不況にあえぐアルゼンチンであった。故郷に帰れなくなった彼の目に映る地球の姿とは…。

寝起きで観たからかピンとこない部分もあったものの、唯一無二と言っていい個性はビンビン感じる。キャラクターの外面的造形は極端にディテールが廃され、可愛いとも感じづらいものではあるが、割と豊富な人体損壊描写は妙に力が入っていて激しい。

本作が製作された当時のアルゼンチンは、国民の二割が失業者、半数が貧困層で治安も荒れていたらしい。そういった空気感は作品にも反映されている。日本人としても笑ってられない日が来るかもしれない。

個人的にはあまりハマらなかったが、終始シュールでナンセンスな雰囲気の中繰り広げられるブラックユーモアの毒にハマる人はハマるのだろう。

ちよっと変わったアニメ作品を求める方向け、かな?