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ニッポン無責任野郎のa9722のレビュー・感想・評価

ニッポン無責任野郎(1962年製作の映画)
3.7
大好きで大好きで仕方ないクレイジーキャッツ唯一の生き残りだった犬塚弘さんが亡くなった。読みはひろしではなく本当はひろむ。
彼とクレイジーキャッツとこの時代を偲んで鑑賞。
元々何本か見てるクレイジーシリーズ。

無責任シリーズはその中でも本当に面白くてC調で最高。
経済成長下の突き抜けたくだらなさの中に今となっては哀愁とも重なるノスタルジーが詰まっていて…。

1年の中でクレイジー映画の公開が相次いだり、どこの配給会社も年始一本目がクレイジーだった年があったなどの話を聞いた。
当時の人にとってはクレイジーシリーズの公開が本当に楽しみだったんだろうな。
娯楽飽和時代の今は1つのものを大事に大切に楽しみになかなかできず、うらやましくもある。

自分は20代で、全くクレイジーキャッツ世代ではないが、おとなの漫画やシャボン玉ホリデーも見たし、彼らの昭和を象徴する調子のいい曲もコミックバンドとしてのコントも、そして何と言ってもコミックバンドなんてレベルじゃない本当にプロの音楽集団だったジャズの演奏も、全てが大好き。
そこがドリフとの違いだった。談志も仲のいいいかりやにそんなことを言ってた。(ただ談志は噺家としてどうしても好かない…)

犬塚さんがハロードリーを演奏する動画が残っているが曲も大好きだし何度見たことか。
ユーミンとコラボしたStill Crazy For Youも何度も何度も聴いて動画を見て、毎度泣いている。
メンバー全員が鬼籍に入った今、どんな気持ちで見て聴けばいいのか。電車では見られないな。
みんなもういなくなっちゃったんだしょうがない、ハイそれまでヨ。

仕事柄、犬塚さんに取材に行く企画を考えていた中での逝去。
思い立ったが吉日とは本当にその通りで、日々の忙しさに追われ後回しにしていると二度と会えなくなる人もいる。
悔やまれるが人生はそんな事が繰り返されるのかもなと教訓になったし、少し大人になってしまった気がした。

ただ私はこれからも、えらいやつはごますってあげていくし、分かっちゃいるけどやめられないことばかりの中で食べることだけ3人前で、タイミングにC調に無責任に生きていく。
そして私の心の中はずっとStill Crazy For Youです。
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