モモモ

ローズマリーの赤ちゃんのモモモのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.2
歴史に名を残す古典は観れば観る程「無駄の無さ」に感服してしまう。
売れない役者の旦那を持つローズマリーが越していた曰くつきのアパートは「悪魔の巣窟」そのものでした。
時代が時代なのでジャンプスケア皆無で、古典故に二転三転する様な展開は無く、長尺ながら無駄なショットが1つも存在しない見事な構成。
周りの人間がやたらと死んでいき孤立していく恐怖、隣人にプライベートを侵されていき不快、謎が解けた時の超常への畏怖、それを周囲は信じてくれない現実。
「超常の類」が起きる映画なのに、何処までも現実的で、その姿を拝む事ができない観客は想像の中で恐怖するしかない。
「ローズマリー」って名前がいいですよね。可憐で純潔を象徴する様な名前。
それを体現する女優の佇まい。
そして勝ってしまう「母性」という結末。
今となって観ればクリエイター側が抱く「母性信仰」を風刺する側面を見出す事も出来る。
名作ホラーの決定盤。
モモモ

モモモ