爆裂BOX

ウェス・クレイヴンズ ウィッシュマスターの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.8
古代の神像が港で荷下ろしの最中破損。中から出てきた真紅の宝石は宝石鑑定人アレックスの元に運び込まれるが、中から人間の願いを叶える邪悪な精霊ジンが現れ…というストーリー。
ウェス・クレイヴン製作総指揮による人間の願いを叶える邪悪な精霊ジンが巻き起こす惨劇を描いたホラーです。監督はKNBエフェクツのロバート・カーツマンが努めてます。
まず何と言っても主役である邪悪な精霊ジンが良いですね。「アラジンと魔法のランプ」のジーニーのモデルにもなった精霊ですが、人間の願いをかなえる時だけ強力な魔法を使えるんですが、その叶え方がとにかくひねくれてて最高。「永遠の美貌が欲しい」という願いにはマネキンにされたり、「こんな光景見たくない」という願いには目を潰したり、「大金欲しい」という願いに保険金かけた母親事故死させたりとよくまあこれだけひねくれた叶え方出来るもんだとむしろ感心してしまいます。「とっとと帰ってほしいね」と言われて危うく帰らされそうになる所は笑っちゃいましたが。言葉巧みに誘導して願いを言わせるところも悪魔な感じで良いですね。終盤でヒロインをサディスティックに追い詰めていく所も嫌らしくて良い。中盤で死体の顔の皮剥いで人間に変身してからはアンドリュ・デュボフが演じています。
特殊メイクアーティストの人が監督だけに、登場するクリーチャーやゴア描写はハイクオリティな特殊メイクで表現されてて見応え十分。冒頭から腹から内臓が怪物化して飛び出したり、体の皮膚が裂けて骸骨が飛び出したりするグロ描写で掴みバッチリ。そして終盤でのパーティーが阿鼻叫喚の地獄絵図と化す所はまさに見せ場という感じですね。石像や銅像が動き出して襲い掛かってくる所はちょっと「GANTZ」の仏像編思い出した。
また、ウェス・クレイヴンが製作総指揮だからかホラー映画でよく見る人たちが多数登場します。美術品コレクター役でMrフレディことロバート・イングランドが登場して終盤では口から触手付いた肉塊吐き出すステキな死にざま見せてくれますし、ガードマン役で「キャンディマン」のトニー・トッド、警備員役で「13金」par7~「ジェイソンX」でジェイソン演じたり「ハチェット」シリーズでヴィクター・クロウリーとその父親演じたケイン・ホッダー、薬局店員に「ファンタズム」のレジー・バニスター、冒頭で木箱に押しつぶされるサム・ライミの弟テッド・ライミに酒飲んで機械操作ミスする作業員に「死霊のえじき」のローズ大尉役ジョセフ・ピラトーとホラーファン的には豪華面子。後、ヒロインの絶叫顔は迫力あって良かったですね。
話的にはジンを蘇らせてしまったヒロインが何とかしようと右往左往する大したことない物ですが、最後のトンチ勝負は面白い。叶えた後で失敗したことに気づくジンには笑いました。二週目のアレックスには最初の記憶あるのかな?
この後シリーズ四作続きますが、二作目はビデオスルーで(実は最初二作目から見ました)三作目と四作目は未見ですが評判悪いですね。
マイナーなホラーシリーズですが、この一作目はウェス・クレイヴンが関わってるだけあってホラーファン的には豪華な俳優陣と見応えある特湯メイク、何よりひねくれ魔人ジンのキャラが良すぎるので機会があれば是非ご鑑賞を。