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怪猫有馬御殿のhorahukiのレビュー・感想・評価

怪猫有馬御殿(1953年製作の映画)
3.4
燃焼系アミノ式!!

大奥で虐められて殺されたご主人様の無念を晴らすために怪猫化した可愛い猫・たまちゃんが大奥のクソ女たちにバク転させて遊んだり、懐かしCM燃焼系アミノ式やらせたり、嫌味を言って虐めたりしながら単身リベンジしていくダークヒーローもの。タイトル通り有馬猫ベースのやつ。

💢八百屋の娘が身分違いなところに入って来やがって!しかもお殿様に気に入られるなんて!💢と嫉妬心全開なおば様方の嫌がらせに見ててイライラ。虐めの標的にされ肩身の狭いおたきの飼い猫がちょっとつまみ食いしただけで、猫を殺すか裸踊りをするかを迫るクソババアども。武芸の心得のないおたきを、降参してるのに一方的に滅多打ち。更には丑の刻参りでおたきを呪い、そのことがバレそうになるとおたき本人に罪を擦りつけて処分しようとする非道。

お殿様はおたきの味方なのだけど、優しい言葉をかけてくれるだけで特に何もしてくれない役立たず。結局おたきはババアどもに殺されるんだけど、おたきの血を舐めたたまちゃんが怪猫化して大あばれ!ちなみにたまちゃんを演じた猫は大映の居候ミイちゃんで、『怪談佐賀屋敷』に続いて二本目の出演となる演技派。今回は出番少なかったけど、可愛さは存分に見せてくれてた!相変わらず血をペロペロするとこが可愛い!😊

怪猫化前後で別人のように変貌する入江たか子さんの演技はさすが!怪猫映画の定石通り、糸をたぐるように人を意のままに操り、刀を持った大勢に対して大立ち回りを繰り広げる。親指以外の四本指を曲げることで猫の手を表現してるんだけど、親指まで曲げると表現としては狐になるらしい。そういった細部にまでしっかりと掌握された演技をされてるようです。

許しを請う声と反比例して無慈悲に大きくなる影による罪悪感。飛んでくる生首。朧げな声の反復と光の明滅。怪談映画としての強みを存分に活かした雰囲気は大好きだし、怪猫映画としての見せ場も50分という短い上映時間に全部収まってる。90分ですら長く感じちゃうので、50分とか素晴らしい!!
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