なまくらウォッチメン

自由の代償のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

自由の代償(1975年製作の映画)
4.3
面白い
偶然宝くじを当てた男がブルジョワたちと交流を始め恋に発展するが、やがて恋愛的、経済的に搾取され隷属する立場に落ちぶれてしまう
異性愛も同性愛も極普遍的な存在であり、そこにあるのは富裕層と貧困層の支配・非支配関係のみ、という徹底したリアリズム描写が良かった

誰から愛を求められず、愛を求めようと自ら隷属される主人公が、挙げ句の果てに自身の名前を象ったジャッケットを、存在証明すら奪われるラストには喰らわされた
ファスビンダーの半自伝、主演ということもあって、フィルモグラフィーの中でも際どい悲劇