Cisaraghi

若き日の信長のCisaraghiのネタバレレビュー・内容・結末

若き日の信長(1959年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「新平家物語」の雷蔵さんの眉毛は熊の毛らしいが、あちらがグリズリーだとしたら、こちらはツキノワグマくらい。どちらも益荒男芝居を頑張ってる雷蔵さんだけど、自分の中にないものを頑張って作って出してる感じは否めない。マスキュリンじゃないのが私の好きな雷蔵さんのよさなので、こういう無理があるのやらなくても新平家だけで十分でしょ、と思ってしまう。最初の方はバカ殿っぽくてよかったんだけど。たくさん観てくると、演技の幅の広いさすがの雷蔵さんにも限界はあるのかなと感じる。実在する歴史上の大人物的な役柄を演じる時の雷蔵さんは、力みが感じられてイマイチ。

それにしても、切腹ってホント悪しき風習。私の言うことを聞き入れてくれないなら死んでやる!としかも死んでから言われるって最悪…。こんな慇懃無礼ってないよな。

出陣の謡は雷蔵さんが謡っているのだろうか?違う?

(追記)
雷蔵さんご本人の弁。「しかし、信長をやっていて、つくづく感じたことなんだが、信長という人物は粗野で乱暴で行動的青年というのだが、君でも僕でも都会人的で線が細い。つまり肉体的条件が伴わないので、ミス・キャストだと思ったネ。」( raizofan.net 萬屋錦之助との対談より。)さすが、自己分析も的確で明晰な雷蔵さんなのである。

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