み

悪人のみのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
4.5
家族目線、加害者目線。雨。画面から伝わってくる重苦しい雰囲気がとてもたまらない。
一つの出来事で動くのは様々な人間だ。それをこの作品は上手く描いている。
年配の方の演技はもちろん、若者の演技も目を見張るものがある。感情の態度の出し方など不自然さがなくて気持ちいい。
不快不快不快不快不快不快不快。これは不快だ。しかし、マイナスすることではない。これは素直に受け入れるだろう。
不快なのにも関わらず受け入れてしまうのは、うまく丸め込まれてしまっているのか、この作品に大切だと思っているのか。
二人が距離を取り下を向いているシーンでだんまりの尺の使い方が上手く、こうなるのは必然だなと思う。
凄いわこの映画。パワーのあるタイプの邦画だ(大好き
この写真もまたいい味を出している。思い出、関係性。
ここでもう告白しちゃうのか、これはミステリではなかった。この作品の根底はそこにあるわけではないので良しです。
この出来事をきっかけに、誰がどうなるのか、そういう話だと解釈しています。
なので、これは早々に明かすべき事だと思う。無駄なことを考えず描きたいもの。それに注目して観れるので。
灯台のシーン。それぞれの語り。これが字幕ではなく、日本語でしっかりと聴き取れるのは幸せです。
人間とは非常に非力だ…人の弱み、それもまた上手く描かれているように感じた。
観る者に「いったい誰が本当の“悪人”なのか」を問う。
とあるが、悪人とはいったい何だろう。
セリフ一つ一つが重く刺さり、語りについ夢中になってしまった。
語りが素晴らしい映画だけに、ここでBGMを大きくして、感じ取ってください。と視聴者に投げる演出もまたいい。
暗い画面に「悪人」というタイトル。素晴らしい演出だと感じた。


337本目。
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