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当りや大将のseapony3000のレビュー・感想・評価

当りや大将(1962年製作の映画)
5.0
轟夕起子の ゆ〜き〜のふ〜るま〜ちに〜 だけやたらと頭に残っていたが、いや凄まじいドス黒さ。中平・シンカネ・姫田。頭師クンめんこいなあ〜なんて思ってるのも束の間、倫理も道徳もそもそも生まれたときから持ち合わせていない長門大将の行動が完全に精神異常者のそれ。こっちは辛くてお腹痛くなりながらみているが、アル中で爛れた中平監督は容赦なく明るくコメディテンポでみせる。夕起子の亡霊に悩まされて鬱になって、やることといったら賭場パークにブランコを作ること。そうじゃないそうじゃない大将〜!その華奢なブランコは何度も何度も山茶花チームにぶっ壊される。狂ったようにブランコ作ってるのみたらなんだかデヴィッドキャラダインの「アメリカーナ」を思い出したけどこんなハナシではなかったか…近いうちまたみよう。そんで鉄のブランコを作ろうとの署長の提案に、ものすごい嗚咽をみせるドブのキリスト浜村純。長屋のセットに長門裕之の棺桶みたいな小屋、つーか箱?グラグラ揺れる轟夕起子の部屋、加藤武のトラックの荷台で飛び出しそうになるくらい揺れる頭師クン、武智豊子ばばあの娼婦の館もヤバい。最高。助監督は西村昭五郎。
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