みおこし

楽聖ショパンのみおこしのレビュー・感想・評価

楽聖ショパン(1945年製作の映画)
3.5
フレデリック・ショパンの生涯を描いた伝記映画。

ショパン役のコーネル・ワイルドは、『地上最大のショウ』などに出ていた肉体派スター。虚弱体質だったというショパンとは対照的なので一瞬「あれ?!」という感じなのですが、映画を実際に観てみたら名演技に圧倒。葛藤するショパンの心理状態が垣間見える、大げさすぎないリアルな表現が素晴らしかったです。ピアノも実際に彼が弾いているのかな...?それは定かではなくとも、きっとたくさん練習されたんだろうなあ。
ショパンを支える先生エルスナー役のポール・ムニも流石の存在感。オスカー受賞作の『ゾラの生涯』の彼も素晴らしかったけれど、本作もすごく良くて、マーロン・ブランドが最も敬愛した役者さんというのも改めて納得しました。
目力が印象的なマール・オベロンは、なんとショパンの"運命の人"とも言えるジョルジュ・サンド役。男装で初登場するあのシーンの彼女は、ものすごくカッコ良かったです...!性格がきつすぎて、ちょっと引く場面もあったけど(笑)。

実際のショパンの生涯からはかなり脚色されている側面もあるようですが、かなりドラマチックな展開に唸りました。パリへの逃避行のシーンとか、ポーランドでの革命勃発後以降の展開の怒涛さたるや。
史実でも、国のため自分の信念のため名曲を弾き続けた稀代のアーティストだったことは有名な話ですが、彼なりに悩み続けたゆえに、その最期を思うと胸が熱くなります。

見応えのあるクラシック映画でした。そういえば、リスト役の俳優さんがそっくりすぎました。
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