福福吉吉

蜘蛛女の福福吉吉のレビュー・感想・評価

蜘蛛女(1993年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
警察官のジャックはマフィアに情報を流して賄賂を受け取っていた。そして、いつものようにジャックは女性の殺し屋のモナの情報を流すのだが、モナが脱走したことによりマフィアを裏切った形になってしまう。マフィアのボスからモナの殺害を強要されるジャックだったが、モナからジャックに接触してジャックを買収しようとしてくる。

◆感想◆
汚職警官のジャック(ゲイリー・オールドマン)が女性の殺し屋モナ(レナ・オリン)に関わったために破滅へと進んでいく姿を描いており、自業自得な面が大きいので傍観者の立場で気楽に観ることができました。

ジャックはマフィアと繋がりを持ち、若い女性と浮気しながら妻に対しても愛情たっぷりの体裁をとるどうしようもない男として描かれており、マフィアとのやり取りもどこか軽い感じがして真っ黒に染まった人物のように感じました。

そして、本作のキー・パーソンである女性の殺し屋のモナはセクシーな衣装に身を包み、男を絡めとる妖艶な雰囲気を醸し出しておりながら、突如、牙をむいたときの狂気に満ちた感じが魅力的なキャラクターでした。ジャックはモナの護送を行うも、性的な誘いをかけてジャックを手玉に取っており、男性よりも一枚も二枚も上を行っていてカッコ良かった。

ジャックはモナの警察からの脱走を機にピンチに陥り、それまでの軽薄な感じはなりを潜め、顔面蒼白な状態でマフィアとモナの間を往来することになります。ここから緊迫感とジャックの顛末への興味がそそられて、とても面白かったです。ジャックがあまりにも不憫で少し可哀そうに感じました。

モナの強烈なキャラクターとストーリー進行に伴うジャックの滑落していく姿が印象に残る作品となっており、なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2023年10月22日
鑑賞方法:ビデオマーケット
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