メイマーツインズ

ナイト・オン・ザ・プラネットのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

4.1
【名作を観ようシリーズNo.121】


ジム・ジャームッシュ監督の名作。
”スモーク〟の流れで久々に。
ソフト所有で再鑑賞。



ジム・ジャームッシュ監督作品の中では1番好きな作品!
クールでありながら、ユルい空気感。
20代の頃、肉食系男子だったから、ジム・ジャームッシュ監督の初期作品は芸術性が強すぎてあまり合わなくて…
でもこの作品だけは特別。


”遊び心〟がある構成で、同じ夜にそれぞれの街で客とともに走るタクシーたちをオムニバスで描く。
LA、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキ…
ただタクシーで走りながらの会話劇だけどね。

タバコ吸いまくるワイルドなウィノナ・ライダーとLA、盲目の女性客を演じる妖艶なベアトリス・ダルと深夜のパリ。
それぞれの街の特色と人間性がさりげなく表現されている。

自分はローマとNYが特に好きだ。
”ライフ・イズ・ビューティフル〟の父親役そのままの、陽気に喋りまくるイタリアのコメディアン俳優・ロベルト・ベニーニ。
まるでドリフのコントのよう(爆笑)

そして、”わが心のボルチモア〟”イースタン・プロミス〟での風格ある父親役の印象が強いアーミン・ミューラー=スタールが天然キャラでホッコリさせてくれる。

20代の自分にミニシアター系映画の風情を教えてくれて、映画の見方が広がるきっかけに。
ジム・ジャームッシュの”遊び心〟と映像作家としてのセンスを楽しめる逸品。
原題は”NIGHT ON EARTH〟。邦題の方がしっくりきますね〜!