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ベニイ・グッドマン物語のみおこしのレビュー・感想・評価

ベニイ・グッドマン物語(1955年製作の映画)
3.6
『グレン・ミラー物語』は昔から好きな映画のひとつなのですが、同じくビッグバンド・ミュージック界の偉人を描いたこちらは未見だったので鑑賞。
ベニーの楽曲は"Sing, Sing, Sing"があまりにも有名ですが、それ以外にあまり詳しくない私のような人でもすごく楽しめました!

シカゴでユダヤ系の家庭に生まれたベニー少年は、幼い頃からクラリネットを習い、日に日に音楽の才能を開花させてゆく。やがて楽団に加入し各地を巡業、ついにニューヨークにやってくるのだが彼の演奏はなかなか大衆に受け入れられず...。

ベニー役のスティーヴ・アレンは初めてお見受けする役者さんだったのですが、本人の写真がそのまま動き出したのかと思うくらいそっくり!!ヒロイン役のドナ・リードとの息ぴったりで、あえてお互いへの想いを胸に秘め、音楽という形で打ち明ける...という胸キュンな展開にドギマギしました(笑)。昔からハリウッド映画は大抵直接愛を叫ぶことが多いから、こういう形の恋愛描写は珍しいかも。その背景にはユダヤ人としてのベニーの葛藤もあったんだろうな、なんて。

ほとんどの演奏シーンはベニー本人が新録しているとのことですが、タイトルは知らずともどこかで耳にしたことのある楽曲のオンパレードで、改めてベニーが音楽業界に残した功績とスタンダードに圧倒されました。("Don't Be That Way"とか、"After You've Gone"とか)でもやっぱり本作のハイライトは終盤の"Sing, Sing, Sing"のシーン。あの力強いドラムを創り出している立役者のジーン・クルーパも本人役でドラム演奏していて、もうあれを観るだけでも鳥肌でした。
とある人物が演奏に遅れて入ってくるのだけが許せなかった!!(笑)
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