いち麦

カラーパープルのいち麦のレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
4.0
公開当時に見たときにそれほど揺さぶられなかった記憶があったが、ミュージカル版(2023年版)の鑑賞に先立って復習のつもりで再鑑賞した。
白人による黒人差別よりも寧ろ同じアフリカ系米国人同士、女性に対する男性からの虐待や差別が描かれている。劇場公開から40年近く経って見直してみて、アルバート(ミスター)の虐待の根底にあるのが彼の鬱屈感、敗北感の裏返しであり、弱い者が更に自分より弱い者をいたぶる構図であることが窺えて興味深く感じられるようになった。今作が映画初出演のウーピー・ゴールドバーグはセリーの変容を熱く演じていて好感。ただ、スピルバーグらしいユーモラスな映像演出は今見ると少々しつこくて鬱陶しくもある。
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