トニー・ガトリフ監督作品2作目…。

邦題『コルコト』…仏題は『liberté 』(自由)です…。


冒頭…木製の柱の間に張られた有刺鉄線のクローズアップ…背景に収容キャンプの何棟かの兵舎が映ります…。

第２次世界大戦中…あるロマ族(ジプシー)の一団は毎年恒例の伝統に従い…収穫時期に伴いフランスの葡萄園へと向かいます…。

途中…両親を亡くしたフランス人孤児クロードと出会い、彼も仲間に…。

彼らが落ち着いた地ではナチスによる新しい法律により遊牧民であることを禁じられます…その地を離れてはならない…そして町の人々は彼らに仕事を与えてはならない…これは完全なジプシー迫害…。

遂には彼らは強制収容所へ…

それを救ったのは市長で獣医師であるセオドアと学校の教師であるミス・ルンディ…セオドアは彼らがなんとか定住できるように尽力、ルンディはロマの子供たちを学校に通わせるよう説得します…。


　　〜〜〜⚠︎以外ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜









セオドアとルンディは実はレジスタンス活動を行なっていた革命家…普段は身分を隠していましたが…遂にはナチスに連行され拷問を受けることになります…

ようやく解放されたセオドアが町に戻ると…クロードもロマ族たちも姿がありません…。

ロマ族の深い"自由"への渇望は生まれ持ってのもの…ひとつのところにとどまることは彼らのライフスタイルとはかけ離れたもので耐え難いことなのです…。


ガトリフにとってのロマの音楽は作品の中では生命線とも言えるほど重要…ロマ族が集まるところには常に音楽があり踊りがあります…。

クロードを含め子供達の生き生きした表情がキラキラ…ロマの子が学校でインクを飲んで口の周りを真っ黒にするシーンはとても微笑ましい…。

また、タローシュというとても身体能力の高いロマの青年…颯爽と森を駆け抜けたり、コミカルな動きをしたり…また、バイオリンの名手で彼の周りは笑顔が絶えません…そしてクロードには特に優しく面倒を見ます…とても好きなキャラです…。

ラスト…遂に彼らはナチスに見つかり連行されようと…その隙に逃げ出そうとしたタローシュ…

彼らの運命は…壮絶のラストに言葉を失います…。


そしてエンドロールでは…

« Sur deux millions de Tsiganes vivant en Europe avant la guerre, entre 250,000 et 500,000 ont été tués par les nazis. »

戦前にヨーロッパに住んでいた200万人のジプシーのうち、25万人から50万人がナチスによって殺害されました…。



✎︎ YouTube (仏語・ロマ語音声、英語字幕)ですෆ*

⭐︎ ドラマ/ 戦争

• #撮影JulienHirsch
• #音楽DelphineMantoulet
• #編集MoniqueDartonne
• #衣装CatherineRigault