そのじつ

ビルマの竪琴 第一部のそのじつのレビュー・感想・評価

ビルマの竪琴 第一部(1956年製作の映画)
3.0
この時期すでに北林谷栄さんがおばあさん役(しかも現地の)をやっていてビックリ!三國連太郎の若い頃の顔にもビックリ!終戦から話が始まることにもビックリ!

「戦争」はもちろんこの話の地盤として存在しているのだが、クローズアップされているのは戦争により人生観が変わってしまった若者、若者の仲間たちとの未練、若者と上官の隊長とだけに通じ合う特別な感情、だと思った。

異国情緒のあふれるビルマの寺院や森の中の涅槃像、鸚鵡、花、僧侶を敬う人々、日本と違うけれどなんとなく郷愁も感じる風物も描写されている。

アレは水島なの?違うの?一緒に帰れるの?帰れないの?とハラハラやきもきするシーンがけっこう長い。このハラどきが映画の動的な部分というか、観客の興味を引っ張っていく部分。
水島がなぜ帰らないのかは映画前半ですでに説明されているのでミステリ要素はない。

淡々とした映画だが、戦友の歌声でうたた寝から目覚めた水島の顔のクローズアップとか、グッと心を掴まれる。市川崑監督でしたのね・・・。
三國連太郎の歌声、吹き替えでなければだけど、素敵な低音でした。
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