ボブおじさん

ジョーイのボブおじさんのレビュー・感想・評価

ジョーイ(1977年製作の映画)
3.8
中学生の時に劇場鑑賞して、猛烈に感動した映画だがDVD化もされてなく、配信にも見当たらなかったので、もう見る事はできないかと諦めていたら、何とYouTubeで視聴出来るとの情報が。通勤時間の往復を利用して46年振りの感動のご対面😊

この映画は、白血病で限りある命を生きた少年の涙の物語でもなければ、アメリカスポーツ界で最も栄誉ある賞を受けた、カレッジフットボール界のスーパースターのサクセスストーリーでもない。

人は皆、誰かのことを思い、全身全霊で物事に取り組めば信じられない力を発揮するといいことを教えてくれる映画なのだ。

1973年にハイズマントロフィー(アメリカ大学フッボール最優秀選手賞)を受賞したジョン・キャパレッティ選手と彼の家族の実話を元にした感動作。

キャパレッティ一家は、ごく平凡な父母と4人の息子、1人の娘で平穏に暮らしていた。しかし不幸は突然訪れた。11歳の末っ子ジョーイが、白血病で余命は数カ月と医者に宣告を受けたのだ……。

白血病と聞くだけで、またお涙頂戴の安っぽいドラマかと思いがちだが、この映画は、実話を元にしており、派手な演出やおおげさな音楽は使われず、フットボール選手として活躍する二男のジョンの実写映像を交えながら、物語は淡々と進んでいく。

原題は「SOMETHING FOR JOEY」直訳すれば〝ジョーイのために〟あるいは〝ジョーイへのプレゼント〟だろうか。

ジョンが全米選手権を勝ち続ける中、ジョーイが兄にあるお願いをする。〝次の試合でタッチダウンを4回決めて‼︎〟

アメフトに詳しくない方の為に、他のスポーツを例にこの難しさを例えるならば。
〝次の試合でホームラン3本打って‼︎〟
〝次の試合でハットトリック決めて‼︎〟
〝次の試合で4トライ決めて‼︎〟
〝次の試合で3ポイント10本決めて‼︎
といった感じだろうか?

つまり1試合4タッチダウンは、かなり無茶なリクエストなのだ。しかも勝ち進む先の対戦相手は皆強豪校ばかりだ。だが、弟思いのジョンは、この難題を見事にクリアする😊

ところがジョーイは、次の試合でもまたタッチダウンを4回決めてとねだってくる。さすがにそれは、と思いながらも、次の試合も懸命に走りタッチダウンを積み重ねる。1回、2回、3回……。

この時のジョンの気持ちは、まさに〝ジョーイのために〟であっただろう。そのジョーイへの想いが2試合連続の4タッチダウンという奇跡的な活躍につながる。ジョーイへのsomethingとは、この奇跡的な4つのタッチダウンであり、家族皆んなのジョーイへの想いだったのだろう。

ジョンがハイズマントロフィー受賞のスピーチを行うクライマックスシーン。チームメイト・コーチに次いで家族に感謝の気持ちを伝えるジョンは、最後に幼い弟への想いを語る。このシーンは、実話だけに感動的だ。

ハイズマントロフィーは、今でもジョーイがもらった努力賞のトロフィーの隣に飾られているだろうか。




〈余談ですが〉
46年もの空白があったにもかかわらず、自分でもびっくりするくらいハッキリと内容や台詞も覚えていて、こんなシーンあったっけというのが全くなかった。恐るべし中学生時代の記憶力😅

それに比べて、今の記憶の頼りないことよ😭

そういえば一昨日の夜、何食べたっけ?