天豆てんまめ

ビフォア・サンセットの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
4.1
「ビフォア・サンライズ」から9年。
あれから、2人はどうなったのか?
月日は2人を変えたのか、変わらないのか?

3部作(今後も続くかもしれないけど)の2部作は、81分の上映時間と81分の流れる時間が同じリアルタイム会話劇。こう来たか、、、と劇場で唸らされた。

2人の再会からお互いの真意を探りながら、私はあの時、何が起こったのか探りながら、2人は月日の隙間を埋めるかのごとく喋りっ放してただひたすらに歩き、カフェに立ち寄り、セーヌ川沿いの風景も美しい、そして、彼女の家に行って、、、

あのラストシーンにはしびれたなァ。

このリアル過ぎる会話劇。監督のリチャード・リンクレイターとイーサン・ホークとジュリー・デルピー3人で書き上げた珠玉の脚本は、アカデミー賞の脚色賞にノミネートされた。

9年ぶりに2人が出会い、そして、私は9年ぶりに2人を観た。

学生だった私は、社会人になり、「ビフォア・サンライズ」を観た翌日に初デートした彼女と、結婚して、子供が生まれていた。

9年という自身のリアルな月日と、映画の中の彼らの9年の月日を重ねられて幸せな映画体験だった。

「ビフォア・ミッドナイト」が公開してしばらく経った頃に、「ビフォア」3部作を全て上映権を取って、とある映画祭の特集企画にしようと画策したのだけど「ビフォア・サンセット」はなんと、日本の国内上映権が失われていた。何てこと!劇場公開当時の配給会社から、DVDの発売権、販売権を持つ会社、途中で変わったりしてるし、この作品の配給だけじゃなく、「サンライズ」「ミッドナイト」関連配給や担当にも連絡し、1作目が東宝東和、2作目がワーナー、3作目が米国ソニーピクチャーズからの日本ニューセレクト(DVDはワーナー)ってバラけ過ぎ!「サンライズ」の2次使用版権を持ってたアスミックエースにも問い合わせ、クラシック映画の海外代理店にも聴いたよ!みんな国内上映権利切れだよ!せめてBlu-ray版権の権利を取って、Blu-rayでの国内上映権を持っている配給がどこかにいたらいいのに、それもいなくて宙に浮いた状態だなんて、なんて寂しいことでしょう。

この3部作を劇場で一気見したら、どんな感慨を感じられるのか、、

その想いは叶わなかったけど、きっと永遠に語り継がれるだろうリアル恋愛映画の金字塔。いつかホームパーティ的に気の知れた友人たちと映画好きな方と人生語りながら、観たら素敵だろうな。

Filmarksさん、3作国内上映版権獲得されるのはいかがでしょう?