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ビフォア・サンセットのkuuのレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
3.9
『ビフォア・サンセット』
原題Before Sunset.
製作年2004年。上映時間80分。
前作ジュリー・デルピー、イーサン・ホークが主演した、リチャード・リンクレイター監督による『ビフォア・サンライズ』から9年経った二人の、再会から夕暮れまでの85分を描いた作品。

9年前、ウィーンで一夜だけを共に過ごした二人。
半年後の再会を果たせないまま9年が経ち、ついにパリで再会した。
しかし、二人が一緒に過ごせる時間は、ほんのわずかしかなかった。。。

今作品は、前作から9年後の大人な恋愛物語で、作中の設定同様、実際に現実の世界で9年の歳月を経て撮った映画です。
9年前に恋に落ちた(ように見えた)二人が、ベニスでのデートを当てにして、電話番号や住所などを交換しないまま、この日まで会わずにいた、という会話から構成されていました。
まず、個人的には演技が巧みで、自意識過剰や大げさな芝居がないのが好感をもてた。
この点については、リチャード・リンクレイター監督が、上映後にドラマチックにならないようにすることがとても重要だったと語ってることが大きく影響しているんかな。
何でもリチャード・リンクレイター監督と主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーは、3人ともこの脚本を書いているそうで、とても興味深かったです。
今作品はイーサン・ホークとジュリー・デルピーに大きく依存しており、彼らの説得力のあるケミストリーは紛れもない。
書店を出てからセリーヌのアパートで終わるまでの90分間は、本、環境問題、政治、愛と人生など、幅広いトピックをカバーするウィットに富んだ会話で構成されています。
9年前の運命の夜がリアルに語られ、ほろ苦さもあって、退屈することはなかった。
そして、この夜こそが、時間と距離を隔てて長く離れていた2人が、9年間の生活の変化にもかかわらず、ずっと抱いていた愛を再発見させるきっかけとなった。
ジュリー・デルピーは、決して順調とはいえない恋愛生活を送りながらも、9年前の一夜の恋人への深い愛情を持ち続け、その記憶は決して消えないセリーヌを好演してました。
イーサン・ホークに見守られながら、亡き有名歌手の動きを真似るシーンやと、彼女の感情の表現が巧み。
原曲の『A Waltz For A Night』を心から歌い上げるシーンは、映画全体のハイライトとなったに違いないかな。
イーサン・ホークは『サンライズ』以来、すっかり円熟味を増し、愛のない結婚に囚われた男のセリーヌへの憧れを強く演じている。
彼がセリーヌに視線を送ったとき、言葉すら交わされていないのに、まるで彼女に多くを語ってしまったかのような印象を受ける。
時空を超えたその眼差し。。。🥺
結局、今作品は典型的な恋愛物語ではなく、心の奥底にある、こないな愛を知ってますか?ちゅう問いを投げかけるという目的を達成することができた。
知り合った年数など関係なく、相手がどこであろうと、つながっていることが大切だとハァ映画は良いなぁ。
この人なしには、自分の人生は成り立たないということを知りながら、果てしない欲望を満たす可能性のあるその瞬間を再び生き、捕らえること。それこそが、愛であるべきなのかもしれません。
小生が書いたら陳腐やけど😃
そして、そう、これらはすべてセックスなしで達成されたモノ。
物語でしかあり得ないが今作品は何か真実味が感じられる。
見るたびに違う解釈ができる今作品は個人的に大好きな作品群(三作品)です。
愛や人生、そして我々の住む世界について語られるトピックの中には、考えるべきこと、気にかけるべきことが沢山ある。。。
kuu

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