ケロケロみん

妻は告白するのケロケロみんのレビュー・感想・評価

妻は告白する(1961年製作の映画)
4.5
大学教授滝川とその妻彩子と出入りの製薬会社の若い社員幸田が山で遭難した。1番上の幸田は必死にザイルをたぐる。しかし彩子はザイルを切り滝川は転落死した。滝川の死は故意の殺人か、やむを得ない「緊急避難」に当たるのか?

誰かを見捨てて自分が助かるのは卑劣。夫婦なら例え助からなくても最後まで2人で頑張るべき。分不相応な額の保険金目当て?幸田に恋するあまり邪魔な夫を殺したのか?非難ごうごうの中裁判が始まる。

増村監督は若尾文子をいじめるのがうますぎるし若尾文子はいじめられるのが似合いすぎる。後頭部の薄い、加齢臭漂う汗まみれの中年男がのしかかってきたところは本気で気持ち悪かった。ガマガエルと結婚させられそうになる親指姫のよう。

夫の差し向けた女中も陰気で下品で嫌な目つきで若尾文子を舐め回すように見る。

一番嫌らしいいじめ方は裁判での事故再現シーン。縄で胸のすぐ下あたりを縛られうつむく若尾文子。時折状況説明のため検察が縄を引っぱる。すると彩子がピクッとする。思わず手を叩きもっといじめろ!と言いたくなる。

転がり落ちるようにエピソードが加速するラスト。終始手を抜かず嬲り続け白くつるりとした首がナヨナヨとしなる。女の私でも鼻血出そうです。

フルチ映画の見過ぎで転落するところは「火花散らないなぁ」と思ってしまいました