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塀の中の懲りない面々のワンのレビュー・感想・評価

塀の中の懲りない面々(1987年製作の映画)
3.0
塀の中の文豪として有名な前科13犯の安部(藤竜也)は、恐喝罪と銃刀法違反で懲役3年3カ月の刑を言いわたされ、目下とある刑務所に服役中。塀の中にはほかにも、前科21犯を誇る窃盗の常習犯 小山(花沢徳衛)、前科15犯の温厚なニセ医者 ドク西畑(植木等)、紙食いのメエこと山崎(川谷拓三)、等々、一癖も二癖もある個性的な面々が集まり、規則一点張りの高圧的な態度を取る看守の鬼熊(山城新伍)に反抗しながら、どうにか平和な集団生活を送っていた。一方シャバでは、安部の別れた妻 風見待子(小柳ルミ子)が経営する赤坂のクラブで、安部の母 春代(丹阿弥谷津子)が安部からの手紙を読んでいた。


安部譲二の自伝的小説の映画化。当時はテレビによく出ていてニコニコと笑っていた。安部直也は安部譲二の本名で刑務所を"塀の中"と表現したのはこの人が最初。

安部がなぜあんなにみんなに慕われているのか分かりにくいが個性的な面々のエピソードは面白かった。だが革命家の城山の件は唐突に感じた。安部と絡むシーンはそれほどなかったと思うし革命に誘うのもどうかと思った。人数が多い分、ひとりひとりのエピソードはちょっと弱い気がする。

ラストに安部の母親が面会に来て息子に語りかけるセリフはとても良かった。
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