櫻イミト

暗い鏡の櫻イミトのレビュー・感想・評価

暗い鏡(1946年製作の映画)
3.5
双子のサイコスリラー。監督は「らせん階段」(1945)などフィルムノワールの名匠ロバート・シオドマク。オスカー主演女優賞2回受賞のオリヴィア・デ・ハヴィランドが双子姉妹を一人二役。

医師殺害事件が発生。目撃情報から警察はルースという女性を犯人と推察するが、彼女にはテリーという瓜二つの双子の姉妹がいた。担当刑事のスティーヴンソンはエリオット博士に協力依頼。心理テストの結果、姉妹の一人が異常者であることが判明する。。。

双子+鏡モチーフの高度な心理ミステリーだった。映像、演出ともに完成度が高い。名優ハヴィランドの双子の繊細な演じ分けも見所。双子が同画面に映る特殊撮影もふんだんに用いられ、違和感のない見事な仕上がり。ロールシャッハ心理テストの実例、双子の心理分析などが興味深い。

ミステリーとしては充分に楽しめたが、人間の哀しみや実存主義的なテーマにはそれほど踏み込んでいない。ルックが良いので個人的には惜しい作品。

※レンタルDVDで鑑賞したらラスコメの日本語字幕が欠けていたので補記→why are you so much more beautiful than your sister?(なぜあなたの姉妹より美人なの?)
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