masahitotenma

草原の野獣のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

草原の野獣(1958年製作の映画)
3.3
リック・ハードマンの原作をフランク・S・ニュージェントが脚色し、フィル・カールソンが監督した西部劇。
印象的なテーマ曲はジョージ・ダニング。
タブ・ハンターが劇中、1曲歌"I'm a Runaway"を披露している。
原題:Gunman's Walk (1958)

拳銃の腕でワイオミングの大牧場主になったリー・ハケット(ヴァン・ヘフリン)は、2人の息子を自分のようにタフに育てようとする。
粗野な長男のエド(タブ・ハンター)は拳銃の腕は確かで父の理想に近いが、押さえつけるばかりの"リー"(小さい時から子どもたちにパパではなくファースト・ネイムで呼ばせている)に反抗し、父に負けまいとしてトラブルばかり起こす。
そんな兄とは対照的に銃は下手で気の優しい二男のデイヴィッド/デイヴィ(ジェームズ・ダーレン)は、先住民スー族との混血で周旋所を手伝うセシリー/クリー(※キャスリン・グラント)に惹かれ、インディアンを憎む父親の反感を買う。
ある日、家畜集めのためエドに雇われたクリーの兄ポール(バート・コンヴィ)とエドは、野性の白い雌馬を追う。
負けたくないエドはポールを押しのけ、勢い余ったポールを崖下に落下させ殺してしまう。
それをポールと一緒に雇われた先住民2人が目撃していた。
父は事故として処理しようとするが…

~他の登場人物~
・ハリー・ブリル保安官(ロバート・F・サイモン)
・ウィル・モトリー保安官補(ミッキー・ショーネシー)
・周旋所を任されれているパーセル・エイヴリー(エドワード・プラット)
・馬の仲買人、ジェンセン・シーヴェルツ(レイ・ティール):リーから見返りを得ようとして、目撃証言をする。

「歴史ある弾丸だ。不幸にも君に撃たれた3人から摘出した。彼らは赦すには値しなかった。法はともかく、道義的には。
あの時代に法などあったか?
では、この弾丸は?」

「精一杯育てたつもりだ。
影のようにな。自分より大きくなると困る。どっちが影か分からない」

地位や金にものを言わせて助けようとする父親、それにある意味同じように力で反抗しようとする長男、クセのある2人と別な姿を見せる二男…父と息子の屈折した親子関係やインディアンに対する人種的偏見などをしっかり描こうとした、意外に見ごたえのある作品。

~※ピック・アップ!~
可憐な容姿のキャスリン・グラント(本名:オリーブ・キャスリン・グランドスタッフ)は1957年、24歳の時に、30歳年上で敬虔なカトリック教徒のビング・クロスビーと改宗を受け入れて結婚(クロスビーの2番目の妻)。
その後一線を退く。
2010年、シエラネバダ山脈での自動車事故により重症を負い、2000年に結婚した2番目の夫(当時85歳)を亡くしている。
masahitotenma

masahitotenma