ぴろぴろ

ビフォア・ザ・レインのぴろぴろのレビュー・感想・評価

ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)
4.2
3回続けて観てしまった。 見返す度に新しい気付きがあって、巧みに捻りの効いた、静かに揺さぶられる様な衝撃、映画らしい映画。 94年ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作品。
「言葉」「顔」「写真」 巧みに3つの物語が交錯し、3話目は1話目に繋がるというメビウスの輪の様な構成に唸る。 鳥肌が立った。 舞台をマケドニアからロンドン、そしてまたマケドニアへと移す。 マケドニアの山岳地帯の景観の美しさだけを見ていると、争いなんて無縁の様に見えるのに。 民族間の紛争の悲劇を描いた3話オムニバス形式で描くヒューマンドラマ。 確認したくなって巻き戻しながら観たので、劇場鑑賞したら1度ではよく分からなかったかもしれない。 とにかくこれは観て良かった。
「ノアの箱舟を作ったのはいつ?」 「Before the rain 」 レッドフォードとブラピの『スパイゲーム』に確かこんな台詞があった気がするんだけど、そんな事を思い出した。 人間が争いばかりしていると、神の怒りに触れて、大洪水で全てを流される日が来てしまうかもしれない。 今ならまだ間に合うんじゃないか。 そんなメッセージもあるのかも… 違うか。
憎しみ、哀しみの連鎖は、いつか断ち切れる日が来るのだろうか。
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