うめ

五人の突撃隊のうめのレビュー・感想・評価

五人の突撃隊(1961年製作の映画)
4.1
御国の為

必死にそんな言葉にすがりついたところで
胸の奥底の叫びを殺せるはずがない
残してきた
家族の為
愛する人の為
夢の為

生きたい
帰りたい
会いたい
抱きしめたい
死にたい


昭和19年
ビルマの最前線
食糧も弾薬も尽き果てた
戦いに倦み疲れ果てる兵士達
しかし、上層部が省みることはない

クラゲ大隊と蔑まれながらも
部下の命の為に撤退の道を模索する野上中佐
そこに送り込まれてきたのは息子の野上少尉を伴った曽根旅団長だった

タイトルにもなっている「突撃隊」ですが、ちょっと違います。
さまざまな思いを抱えて命を賭ける。
そんな五人が戦地に来るまでに何があったのか。
回想シーンで語られる一人一人が背負っているもの。
辛くて
悲しくて
悔しくて
涙がこぼれる
本当にこんな人達がたくさんいたんだろう。
そして、実際には絶望の中で亡くなっていったんだろう。

出演者の演技、構成ともに秀逸。
時折、思わず笑ってしまうようなシーンもあるが…
それが後にさらなる涙を誘う。

驚くほど、マーク数が少ないけど…
もっともっとたくさんの人に知られていい傑作だと思う。
うめ

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