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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記の一のレビュー・感想・評価

3.5
フランスの名匠 ストローブ=ユイレ監督の代表作

クラシック音楽の巨匠バッハの半生を彼の作った名曲をバックに、第二の妻アンナ・マグダレーナの日記をナレーションに綴った伝記映画

大半はかっちり固定されたカメラで延々続く演奏シーン
そのひたすら続く演奏も雅やかな音楽ばかりなので、浴びるように気高さを感じ続けてもはや夢見心地状態

セリフもほとんど無く演技らしい演技も特にない
ストーリーのほとんどは演奏の合間に日記のナレーションが挟まれるのみという淡々さなので、あってないようなもの

もっと小難しく哲学的な映画だと思っていたのに、意外と普通に娯楽性のある映画というのは拍子抜けだったけど、構図は凄まじく美しい

ひたすら優雅なピアノの音色や綺麗なオペラの歌声を聴いていられるクラシックコンサートを眺めているみたいな感覚で、語弊があるかもしれないけど作業用映画としてもありだと思う

何もない心地良さ、なにより音楽の力は凄まじく、画面に映し出される音楽家達をあたかも自分が操っているかのように、なぜか大富豪になったような気分に浸ることができた

Chronik der Anna Magdalena Bach

〈 Rotten Tomatoes 🍅※100% 🍿65% 〉
〈 IMDb 7.0 / Metascore - / Letterboxd 3.7 〉

2021 自宅鑑賞 No.135
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