まりぃくりすてぃ

はだかっ子のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

はだかっ子(1961年製作の映画)
4.5
子役たちと大人たちが総がかりで“人の行くべき道”を進んだ秀作。

ただし、古さとわかりやすさと十二才児童らの演技の限界性を、中盤まで私は「まあまあだね」と一括(くく)りして侮ってた。先生役の有馬稲子さんと主役の六年生・元太(伊藤敏孝くん)とのお相撲シーンが一番の見どころ、、、などと本当に侮ってた。
ごめんなさい。
講堂での風変わりで痛快な「討論会」シーンから、侮れない映画になった!(←議長の男の子最高。)
堅実な魔法性の見られた遊園地。同級生女子(大鐘光子ちゃん)との関係性イイね。
運動会のところから先は読めたが私、泣けた。あらかた涙をしぼりとられ、もう新たな落涙はないだろうと思ったのに、先生が探し当てた元太の“泣き場所”に、さらに二滴か三滴泣かされた。

先生の有馬さんは、超残業中もそうだが不在時さえも(?)作品を底支え。彼女が子供たちと喋る映画って、『かあちゃんしぐのいやだ』がそうだったが、きっとハズレがない。子供と向き合ってるというより“年の離れた小さな大人”に対するような独特の尊重感が、少し蓮っ葉な早口の中に漲ってる気がいつもする。
先生を役回り的に「外野」代表とするならば、「内野手」の一人である三國連太郎さんの貢献度大。本作の彼は(野球の譬喩を続けるなら 笑)全打席ヒット的。
母(木暮実千代さん)の飾り気のなさとボヨン感も良。
もちろん、絶対的な主役は元太! まるで延長18回投げ抜き完投投手的なその伊藤くんの頑張りを、称えたい。