かたりこ

赤穂浪士のかたりこのレビュー・感想・評価

赤穂浪士(1961年製作の映画)
4.0
「花の雲鐘は上野か浅草か、と芭蕉桃青が詠い上げた元禄の春は、家康、海内を制覇してすでに百年。幕府の大樹も五代を閲し、外に辺境を窺う敵国もなく、内外昇平、上下艾安。世は挙げて、泰平の佚楽に酔い痴れ、華奢風流。武士にあっては、鏤金彫刻の美を誇る、細身の大小に憂身を窶す、折花攀柳の興にあった。暮らしの心得として御定目を示した高札も、これに一瞥をくれる者すらない始末であった」