2月4日なので、旧暦ではあるが命日である赤穂義士の映画をと思い、こちらを鑑賞。
東映10周年の記念作品との事。あの東映も、10年という時代があったのかと思うと、それだけで感慨深い。
豪華絢爛な元禄の時代の色彩豊かな映像、美しい所作、字幕が欲しいくらいの江戸の言葉、セリフ外で語る心理描写などなど、見どころ多数。
大石主税(松之丞)役を、松方弘樹さんが演じているのだが、魚釣りのエピソードがあり、後の松方弘樹さんを知っているからこのシーンは面白く思えた。
脇坂淡路守が浅野内匠頭と笑い話をするシーンの殿様のくだりは、よく落語の枕で聞く小噺だが、演じる萬屋錦之介さんの声の強弱や間の取り方が絶妙で、とても面白かった。
阿久里(瑤泉院)の切り返しも巧かった。
大石の東下り、BGMと演者の表情だけであんなに感動的に描けるのか。
南部坂雪の別れ、透明な数珠は水晶?何か意味があるのだろうか。
セリフが良く聞き取れない箇所、ややわかりにくい言葉遣いなどがあり、字幕や現代語訳があれば、より沢山の方が好きになると思う。
タイトルは赤穂浪士だが、スポットがあたる浪士は大石内蔵助、主税、片岡源五右衛門、堀部安兵衛、などごく少数。
オリジナルキャラクターの「とらのすけ」が活躍しているが、一応この方も浪士の1人。
これはニュアンスの違いかも知れないが、討ち入りした浪人は「義士」、とらのすけなど討ち入りをしていない浪人を「浪士」と、言い方がわかれると思う。
だとしたら、タイトルが「赤穂浪士」なのだから、もっととらのすけらにスポットがあたって欲しい。
討ち入り本懐を遂げ、泉岳寺へ引き上げていく後ろ姿で終幕するなら「赤穂浪士」ではなく、「赤穂義士」としてほしいなどと、どうでも良いような事を思った。
音楽も荘厳な雰囲気で良い。
最後に松方弘樹さんが演じた大石主税殿の辞世の句を書き記し、2月4日の映画鑑賞の感想文を閉じたいと思う。
会う時は語り尽くすと思えども
別れとなれば残る言の葉