湯林檎

ミッドナイト・イン・パリの湯林檎のレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.8
パリを舞台にした夢いっぱいのロマコメファンタジー。
とは言え今作の主軸はラブロマンスではなく1920年代に生きた文化人たちとの交流。

個人的にフランス文化には非常に興味があり、特にパリはいつかは旅行で訪れたいと思っている場所の1つ。

キャスティングとしては主人公のギル役のオーウェン・ウィルソンは勿論のことアドリアナ役のマリオン・コティヤールとサルバドール・ダリ役のエイドリアン・ブロディのハマり具合が良かったし、知らない偉人たち(特に作家)のことを知れて面白かった!

タイムスリップした際の時代と時代の境界の描かれ方が曖昧で良い味を出している。例えばドラ◯もんがもっているようなタイムマシンでタイムスリップをする訳でもなく魔法や妖術を使うわけでもなく気がつくと憧れの時代に行けるという世界観が素晴らしい。

1番良かったのは誰もが抱くであろう憧れの先人が生きていた時代に行きたいという気持ちを作中に上手く取り入れていてとても面白いと思ったところ。
でもそれは現代に生きているからこその幻想であり、結局はいつの時代も混沌としていて昔を懐かしむ気持ちは変わらないというメッセージなのかと思い、今を精一杯生きることの大切さを改めて実感した。

思えばパリという街は今と昔(100年近く前)で建物の景色があまり変わっていないというのも凄いことだ。もしこの映画のNYや東京版を作ろうと思ったらヘンテコな作品になりかねないだろう。

とにかく洒落が効いた良質な映画だった。
湯林檎

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