肉鹿

籠の中の乙女の肉鹿のレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.9
ギリシャ郊外。父親の教育方針が絶対の家庭で暮らす子供たち3人は成人になっても家から出たこともなく、偏った常識を植え付けられたまま初めて観た3本の映画の影響を色濃くうけた———ヨルゴスランティモス監督作品。

尖り過ぎてて笑っちゃう😂

こんなのよく思いつくね…て口をあんぐりさせちゃう設定は誰も真似できない境地に達してて、観た人誰もが気持ち悪くなること間違いなし!

でも気持ち悪いけど暗くはなってないのが恐ろしいところで、あくまで家族の常識としてまかり通っていて思い悩む描写が薄いから明るく開放的に見えてくるのが逆に不気味。
監禁でも軟禁でもなく、正しい知識を与えない。という虐待ほど怖いものはないよね…

予期せぬタイミングで血しぶき伴う暴力が起こるのも怖いしね。
ほんと裏拍のような独特なリズムでセックスと暴虐が起こるから心臓が縮み上がる…猫のことは許すつもりないよ😡

しかし、猫のおかげで家族みんな犬となり遠吠え訓練したり敷地ギリギリで仲間を呼び戻そうとしたり!みたいな独特なコメディセンスが発揮されてて憎めない😂長女の遠吠えが1番うまい!
フラッシュダンス風素人ダンスを超長回しで見せつけてくるのも、まるで「死霊の盆踊り」みたいな地獄の時間!長女が恥ずかし死ぬ…

そんな長女の歯によってこの映画は終わるけど、清々しさではないところがほんと絶妙~。

この悪意と正気をコントロールして、狂気と笑いは紙一重なのをわかってるエンタメ感覚があるのがランティモス監督恐ろしいや。
説明不足感あるのも作品の自由度が広がってるようでよき。

そんな見る人によって狂気映画のままだったり、その皮を被ったスリラーやコメディに変貌してくる作品。何度も見るとみるみる洗脳されそうだから恐ろしくてもう見たくない。
肉鹿

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