青二歳

朱と緑 緑の巻の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

朱と緑 緑の巻(1937年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

プロレタリア文学から転向した後の作品といっても根は変わらないのだろう…片岡鉄兵の通俗小説の映画化。後半。ブルジョワへの批判が随所にあるとも読めるような。かといって労働者が出てくるわけではなく。貧しい者として佐分利信が登場しますが、動機は金目当てではなく…“身分違いの恋の悲劇”というところ。一体この通俗小説の行き着く先はどこなんだ。
あぁ高峰三枝子がついに貯金ぜんぶスってしまった…( ´Д`)競馬狂いはこわいなぁ。むしゃくしゃしたら競馬場を思い出すとかもう依存症。
東日出子も上原謙のことまだ諦めてないんかい。なんかエラい展開になりましたね。え〜そんなぁ〜。そもそも婦人雑誌のダンスパーティの催しというのが胡散臭かったけども…
高杉早苗が法廷に立って自ら証言をするということは、今だって誰でも緊張するだろうけれど、映画では若い女性にも関わらずという属性に重点が置かれていますね。時代でしょうけれど、ヒロインの人格を表すシーンです。

前編後編と長々と引っ張った割にはラストで怒涛のお片づけといった印象。総じて何が何だか分からないけど(通俗小説ものは大抵そうだから目くじら立てまい)、キャラクターは面白いのと、当時の大阪風俗が見えて興味深かった。
笠智衆が記者役で出てくるが、ウォーリーを探せみたいな感じになるのが楽しいと言えば楽しい。
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