これはとても良い物語だった。ジーンときた。
何よりも宮沢りえさんが美しすぎる。
80年代最強の女優さんと言われるのが分かる。
浴衣姿、喪服姿、どれを取っても色気があって品がありとてもお美しい。艶っぽい。古風な役を演じさせた時に、その生き様まで作り上げ、貞淑さを惜しみもなく出すって凄いと思う。
立ち姿も所作も喋り方も、全てが整ってて可愛らしさも備わっている。
森田剛さんが惚れ込むのも分かる。
加瀬亮さんの真っ直ぐで少しお茶目で、でも一生懸命で素朴な感じが良い。そして白シャツがとても似合う。
宇崎竜童さんの好演も光ってた。
音楽が上原ひろみさんのピアノで良い味を出していた。
「無法松の一生」が出てきてタイムリー過ぎてビビった(笑)
大人の愛ではない。
夫婦の愛でもない。
いみじくも留吉が言った“夫婦のような…愛”。
これを実に見事に描き出し、伝わって来る。
蛍のシーンと、自転車漕いでるところ、あんぱん食べてるシーンが好き。
昭和の映画館は娯楽でありこういう映画にかける熱い想いの人がたくさん居て、笑顔を届けていたんだなって思うし、映画ファンならこういうのを一回は観た方がいいんだろなって思った。
浅田次郎原作