なんだかよかった。いろんな人たち(出てる役者みんな好き)が出たり入ったり話したりしてるだけなのに観ていられるところがある。フェードアウトが割と頻繁に入るんだけどブツ切れ感はなく、そのたびに目を瞑って思い出してるような感じ。
ヴィルジニ・ルドワイヤンとマチュー・アルマリックがチュッチュしてるところは若干キモいし、ギリシア彫刻のような顔立ちにベリーショートが大変似合うミア=ハンセン・ラヴがまだ16歳!の役で40歳のフランソワ・クリュゼとつきあってるという犯罪級設定だが、ジャンヌ・バリバールとアルマリックが別れたてのカップルで何となく互いに未練があることと、アルマリックとは編集者と作家としての仲であり友人役のクリュゼの死を中心として、とにかく色んな人間が出たり入ったりしてるのをただ観てるだけでなんだか好いなぁと思える。終わってすぐ、あーまた観たいなと思う。
アサイヤス作品に出てくる女性は端役に至るまでなんだか妙に魅力的に映されてることが多く、バリバールはこのあとの『クリーン』の役と違って表情豊かで笑顔が大変可愛らしい。大人になったルドワイヤンはヤンデレでエロい。クリュゼの元パートナー役のアルシネ・カーンジャンが加わる晩餐のシーンもなんとなく好い。
ラストのはっとするような浄化されるような感じは、のちのミア=ハンセン・ラヴ監督作品におけるラストにも通じるものがある気がした。