しーかず

クロスロードのしーかずのレビュー・感想・評価

クロスロード(1986年製作の映画)
3.6
ブルースを志すギター激うま少年が、伝説のブルースシンガーウィリー・ブラウンを囚人病院から脱出させて南部を目指して旅をするロードムービー。ウィリーは悪魔にブルースの才能と引き換えに魂を売ったというスピリチュアルな設定と描写がチラチラ垣間見えるのも絶妙だし、途中から旅の仲間になるヒロインのフランセスもツンツンしててめっちゃ良いキャラ。ブルースの音楽もともに旅が続く雰囲気も素晴らしい。途中までは最高だったんだけど、終盤十字路に辿り着き、悪魔が出現して初出の男と謎のギターソロ対決をするのがクライマックスには良くない意味でびっくりした。もはやブルースですらないじゃないか。後半フランシスが唐突に居なくなってしまうのも寂しい。あと、ウィリーは主人公を一体どうしたかったのか、結局ロバートの残した曲の話も病院を脱走したいが為の嘘だったし、それにしては悪魔との会話では主人公を庇ってるし、イマイチ一貫性に欠ける。黒人が集まる酒場で2人の曲が大盛り上がりするシーンはめちゃくちゃ好きだし、とにかく途中までの雰囲気が大好きだったので終盤が少し残念。ただ、ロードムービーとしていい雰囲気で楽しめる映画だった。
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