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日蔭のふたりのHKのレビュー・感想・評価

日蔭のふたり(1996年製作の映画)
3.5
トーマス・ハーディ原作の小説を『バタフライキス』などのマイケル・ウィンターボトムが映画化。キャストはクリストファー・エクルストン、ケイト・ウィンスレット、リーアム・カニンガムなどなど

ヴィクトリア朝時代のイギリスで真面目な石工をしていた一人の青年がいた。彼は大学進学を希望したが付き合っていた彼女が妊娠したために彼女と結婚する。しかし彼女から逃げられる。その後大学に入ってそこでいとこの女性と恋に落ちるのだが…

マイケル・ウィンターボトム監督によるメロドラマ映画。個人的にはそこまで演出的に惹かれるような所はそこまでなかったかな。開幕直後のモノクロ映像で見せる田園風景はとても良かったですね。

説話としては当時のキリスト教的倫理観によって彼らの幸せや恋路が左右されてしまうというとても残酷で悲劇的な物語となっている。そこがやはり良かったですね。

二人が恋をしているシーンなどは浜辺などロケーションがとても素晴らしかったですね。特にジュードの田舎パートでの大自然溢れる光景もとても良かったです。

ケイト・ウィンスレットもさることながら、レイチェル・グリフィスも体を張った濡れ場をやっている。両方素晴らしい体型で良かったと思いますよ。

他にも豚の屠殺するシーンがありますがそこも残酷な演出を欲している身としてはとても印象に残りましたね。

主人公のジュードはスーと同じく当時のイギリスの宗教観や倫理観などに必死に抗おうとする信念を持っており、お互いにそれを共有して同志のような存在でもあった。だからこそ、旧態依然とした体制下、現代的な自己実現のために敢えて苦難を受ける形の人生を送るのだが、

最終的にはとある事件が原因で駄目になってしまう。あそこでの子供たちの行動が果たして論理的かつ生物的にあり得るのかどうか正直分からない部分はあるんだけど、それでもより物語の残酷さに拍車をかけるような形になってよかったなと思いますよ。

いずれにしても見れて良かったと思います。ケイト・ウィンスレットの生々しい出産シーンが印象に残りましたね。

最後の収め方がちょっとばかり演劇的だったのがちょっと残念。
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