自由席

シンクの自由席のレビュー・感想・評価

シンク(1998年製作の映画)
5.0
久々に鑑賞。

わたしはー、オレンジのダッフルを着てー、角を曲がった公園にいます。誰かいますかー?…結構美人です」。

顔も知らない、誰かの声が頭の中で聞こえて集う、男女3人の日常を描いた映画。

テレパシーとか運命の人とか、選ばれし者とか大げさな事は無く、男女の関係にもならず。ふとした時に語りかけて、遠くの誰かが、隣の知っている人よりも近いと感じたりする瞬間。この絶妙な距離感がとても好き。

1997年の映画で20数年後の今観ると、スマホの時代を先取りしていた、と思えなくもないです。思い出しながらちょっと調べたら、iモードが1998年、パソコンではもうそういうのあったっけ?
あとワンダーエッグ、ampm、世紀末前のぼんやりとした不安。ちょっと懐かしい感じもありました。

ビデオ撮影で冬の光と空気がとても伝わってきて、何より3人の若さが今観てもまぶしいです。主演は、現在NHKドキュメント72時間のテーマソングを歌われている、松崎ナオさん。男性2人もすごくいい役者さん。改めて好きな作品だと再確認しました。
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