NAOKI

トゥモロー・ワールドのNAOKIのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
3.7
一本うどん…

時代遅れのちょっとへそ曲がりの話。
よくスゴい長回し話題になりますよね。この映画もこれ…4ヵ所かな?すごい長回しのシーンがあります。

でも映画ファンとして恥ずかしながら告白すると初見時…映画館で観たときそれほど気づきませんでした😁
あとでそれを知って見直した時にこりゃすごいやって驚いたのを覚えています。

もう緻密に計算して練習してよーいどん!で一回もbreakなしで長いシーンを撮る…すごいなぁって思うけど、そこで驚くのは映画の評価としてどうなのかな?っていつも思ってしまいます。

もちろん、長回しの狙いは役者の緊張感を高めてより良い演技を引き出したり、一度もカットが入らないことで観るものの緊張感を持続するという効果があることは知ってますが…もう少しで長回し完了!というところでNGを出してしまった役者やスタッフの気持ちを考えると、そこで一回くらいカット入れても構わないじゃないか…と思ってしまいます😁。

昔…テレビの企画で「一本うどん」というドッキリを観たことがあります。うどんや蕎麦が長い長い一本で出てきたら客はどんなに驚くだろう…という企画でした。
うどん一杯分の麺を一本で作るのはそれはそれは大変で試行錯誤を重ねた結果、やっと成功…お客さんに出して隠しカメラで撮る。どうなったと思います?
誰も麺が一本だと気づかずに食べちゃったのです😁💦あの苦労はなんだったんだ?というオチで終わるドッキリでした。
すごい長回しを観るとこの話をいつも思い出してしまいます。

たぶんおれが鈍感で映画に対する没入感が過ぎるのだと思います💦
長回しだけでなく例えば…
「この映画はIMAX3Dで観なければ意味がない」
これもよく聞くけど今いちピンときません…誰かが言ってました…「あれくらいの3D なら以前から見えてた」と…
激しく同意ですね、いい映画であればあるほど途中から3D で観てること忘れて2D と変わらなくなります😁💦空撮の時など建造物がミニチュアみたいに見えてしまったり、字幕が一段手前に見えるのが逆にノイズに感じることすらあります。
おれが時代遅れになってるのかな?💦

とは言え…この映画の長回し…確かにすごいです。バイクスタントやフロントガラスが砕け散るシーンはいったいどうやっているのでしょう?
車内を撮り続けてるカメラマンはいったいどこにいるのか?確かにこれを楽しむのも映画のひとつの楽しみかたであるのは間違いないです。

長回しはさておき…この映画…大好きです。
今まで色々な人類滅亡の危機を映画で見せられてきましたが…これは斬新!これ以上の絶望があるでしょうか?人類がやけくそになるのも無理はない…と思いました😁💦
この原因に対してのSF的謎解きや解決を求めると肩透かしを食らうような映画です…ただ状況を受け入れその絶望感を味わう映画です。
長回しもその効果を狙ったもので、おれみたいにそれに気づかないような鈍感なやつでも充分に何か漠然とした不安を感じるような映画になっています。

ラストは監督の本意かなぁ?
逆に商業的な観点からプロデューサーが無理矢理入れさせたのでないか?と疑ってしまいました💦

霧の立ち込める海で揺れる小舟のシーン(何の結末もついてない)で唐突に終わっていたら…
おれ的にはオールタイムベストに間違いなく入れてた映画でした😁💦
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