とんかつ

砂の惑星のとんかつのレビュー・感想・評価

砂の惑星(1984年製作の映画)
3.3
めっちゃチープだって聞いてたんだけど想像以上にチープだった。
限られた条件の中でやりくりしてる感じが愛おしい。

デヴィッド・リンチの作品の中でも興行的に大失敗したという今作。
前作のエレファントマンが大成功だったために任されたでっかいプロジェクトらしいんだけれど、確かに、あんまり聞かないしな。

「マルホランド・ドライブ」のパンフに書いてあったんだけれど、彼は完成する最後までちゃんと手入れできなかったらしい。わかんないけど、なんか大人の事情があったんだ。

ドゥニ・ヴィルヌーヴが何時間もの映像にした物語を、2時間にギュッとしてるくらいだから、展開が早くて退屈はしないんだけれど、逆に展開が早すぎて「?」のまま進んで終わる。

まじでいろいろ突っ込むところがある。
戦いの訓練をする時のバリア?的なものがマイクラみたいにカックカクでめっちゃ見にくいのとか、
青い眼に関しては白目まで真っ青だし合成がちょっと適当なところとか、
ポールが初めてサンドワームに乗るシーンが「あれ?私にも乗れそうじゃん。」と思わせるほどめちゃくちゃ簡単そうに見えるところとか、
あまりにも適当なチャニの扱いとか、
全く緊張感のないポールとフェイドラウサの決闘とか。

でも、ドゥニ・ヴィルヌーヴ版より好みだったな…。あっちはアクションすごくて緊張感もあって面白かったけど、画面はごちゃごちゃしてる方が私は好きなんだ。
CGはリアルでクリアで、それもいいけれど、
やっぱりどんなにチープでも物がそこにあるって、見てて楽しい。
まじでこの年代の作品にしても安っぽすぎるけれど、衣装も舞台もキモい奴の造形もこだわりを感じるし感心するし、なによりかっこいい。テーマパークみたいにワクワクする。
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