福福吉吉

完全なる報復の福福吉吉のレビュー・感想・評価

完全なる報復(2009年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
クライドは自宅に2人組の強盗が押し入ってきて、妻と娘を殺される。犯人は逮捕されるが、裁判では担当検事のニックが司法取引を行って主犯のダービーが極刑を免れる。それから10年後、共犯の男の死刑執行の日、ダービーはクライドによって拉致され、拷問の上、殺害される。クライドは容疑者として逮捕されるが、これは彼の計画の始まりに過ぎなかった。

◆感想◆
妻子を強盗に襲われた男の復讐劇でありながら、その男の頭脳的かつ狂気に満ちた犯行が観ていて、先への興味を抱かせる作品となっていました。

クライド(ジェラルド・バトラー)は妻子を殺され、その上、担当検事の独断で主犯のダービーが極刑を免れたことで無念のまま、悲しみにくれます。これだけなら普通の作品なのですが、彼には特別な能力が備わっており、それにより不可能ともいえる殺人行為を次々と行っていきます。10年後から始まる彼の復讐劇は大胆不敵で担当検事だったニックをたやすく追い詰めていくので、犯罪行為でありながら、どこか痛快に感じてしまいました。

ニック(ジェイミー・フォックス)は過去にクライドの妻子が殺された事件で有罪にすることを重視して、ダービーとの司法取引を独断で実行したことにより、クライドの怒りを買います。ニックは優秀で現実的な人物ではありますが、法律の限界を知りすぎて被害者家族の意思と乖離しているように感じました。10年後のクライドの復讐が始まってからはクライドに手玉をとられ、ニックが法律を無視してクライドを抑えようとする姿が皮肉的に感じました。

ストーリーのテンポは良く、所々に衝撃的な出来事が起こるため、起伏に富んだストーリーとして退屈することなく最後まで楽しんで観ることができました。クライドとニックのかけ引きは面白さと怖さを味わうことができて良かったです。

タイトルに恥じない復讐劇の奇抜さが面白い作品でした。

鑑賞日:2024年2月10日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
(録画日:2023年1月5日)
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