大戦後に夫の辞令で移り住んだパリで料理を学び、1960年代にレシピ本執筆とテレビ番組でアメリカ一般家庭へフランス料理を広めたことで知られるジュリア・チャイルド。2002年、冴えない生活に耐えかねて夫の勧めでジュリアのレシピ本を再現するブログ投稿を始めたジュリーの奮闘を通して彼女の足跡を振り返る様を描くドラマ映画です。
実際に一年間365日で524ものレシピを再現したブロガーのジュリー・パウエルが執筆した自伝をベースにした物語を、ハートウォーミングなドラマ映画を得意とするノーラ・エフロンの監督で映画化した2009年公開の作品で、W主演となったメリル・ストリープとエイミー・アダムスの演技が称賛されて数多くの映画賞にノミネートされました。
異なる時代を生きたふたりの女性が料理を通じて自己実現していく様を交互に映し出すスタイルで、過去と未来を交錯しながらシームレスに繋げる作り込まれた演出と作劇で魅了します。ふたり分の伝記を描き切るには二時間の尺では限界を感じる所はありますが、いずれも素晴らしいチャームで感情移入させる二人の演技で引き込む一作です。
