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スピード・レーサーのトルーパーcomのレビュー・感想・評価

スピード・レーサー(2008年製作の映画)
3.0

#スピードレーサー
ウォシャウスキー監督が日本のアニメ『マッハGoGoGo』を実写化。実写とアニメの中間のようなカラフルな映像が魅力のゆるい映画。

マトリックス新作公開タイミングでウォシャウスキー監督作品の復習中に初観賞。

劇場公開時、吹替版が酷いと少し話題になってた記憶。当時チラホラ酷評を聞いたのでスルーしてしまっていたけれど、観てみたら割と好きだった。

映画の雰囲気としては『チャーリーとチョコレート工場』(2005)とか『レゴムービー』(2014)あたりに似た感じもある。
レースシーンはマッハGoGoGoというよりはマリオカートって感じなので、画面がわちゃわちゃしてて楽しいです。


■実写≧スピードレーサー≧アニメ
日本のタツノコアニメ『マッハGoGoGo』の実写化だけれども、映像的には7割実写/3割くらいアニメという感じである。

元アニメは1967年の手書きセル画アニメだけれど、本作はレースシーン中心にNINTENDO64のマリオカートみたいな雰囲気のレトロなCGアニメでレースシーンの背景を描いている。

リアルに車が走行する描写ではなく、ミニカーを使ったギャグっぽい古い特撮みたいな映し方なので、この雰囲気が合うかどうかで好みが分かれる気がする。

レース以外のドラマパートも原色の単色多めのコントみたいなセットで撮影されており、ウゴウゴルーガとかポンキッキーズあたりの、90年代幼児番組みたいな雰囲気があります。

キッズアニメを観る感覚で楽しむ作品だと思うので、本格的なレースシーンを期待する人は『フォードvsフェラーリ』(2020)とか観ればいいと思います。


■ストーリー/キャラクター
主人公は三船剛、ではなくスピード・レーサーという名前。「スピード」がファーストネームで「レーサー」が名字であるwww

とはいえ、登場キャラや車はほぼ原作準拠。
タツノコプロの公式youtubeに原作アニメの第1話がアップされているので観てみたところ、驚くほど原作に忠実に作られていることがわかった。

パパの衣裳もそのまんまだし、弟とチンパンジーのコンビも完璧に再現。
マッハ号のギミックや、ヒロインがレース中ヘリコプターで見守る絵も完全に一致。

ライバルカーが悪どいギミックで攻撃してくる様や、クルクルとスピンする絵/クラッシュして爆発する絵のアニメ感も完璧。
兄貴の話や覆面レーサーのくだりまでしっかりと網羅されており、監督の原作愛が伝わる。

盛り上がるシーンでおなじみのテーマ曲が流れるので自然とテンションがアガります。


■その他
・吹替版
棒主演アイドルの吹替がひどいと噂だったけれど、脇を固める声優さんは良かった。
パパ役は今は亡き内海賢二さんで、悪役は安定の玄田哲章さん。

覆面レーサーには小杉十郎太さん。最近007映画を観まくってたので馴染みの声。

警部の声どこかで聴いたなあと思って調べたら、『ローグワン』のボーディの人だった。

・ヒロインの子供時代の子役めちゃくちゃかわいい。

・真田広之さんがチョイ役で出てきた。

・韓国人レーサーの妹が「ハルコ」なの謎。

・ペットのチンパンジーが表情豊かで楽しかった。
ライバル会社内で暴走するシーンで『キングスマン』(2014)の教会のシーンでもおなじみ「Free Bird」が流れてウキウキした。


【スコア】
★3.0で。
原作はなんとなくしか知らなかったですが、まあ面白かったです。
2008年のクオリティなのか、っていう疑問はあるけれど、こういうゼリービーンズみたいな色合いの映像は好き。
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