kuu

リアリティ・バイツのkuuのレビュー・感想・評価

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)
3.8
『リアリティ・バイツ』
原題Reality Bites.
製作年1993年。上映時間99分。

90年代に生きる、ジェネレーションXの若者たちが社会の様々な現実に向き合う中で、本当に探し求めていたものに出会うまでを綴った米国産青春映画。

大学を卒業した4人の男女の交流を描いた青春ドラマ。
TV局でADをしながらドキュメンタリーを作ることを夢見るリレイナと男友達のサム。
バンド活動で職に就かないトロイに、エイズに脅えるビッキー。
そんな彼らがひょんな事から共同生活を始めるが。。。

かつて越南(ヴェトナム)反戦運動や学生運動に力を入れていたベビーブーマ たちは、80年代には高級スーツに身を包み、BMWに乗る拝金主義野郎のヤッピーになったと聞く。
そんな保守的な世代への反動として出現してきんのが、Xゼネレーションなんて呼ばれる世代。
90年代に出版されたダグラス・クーブランドの小説 『Xゼネレーション』からの造語で、60年代前半以降に生まれた若者たちの総称として使われてる。 彼らには人生のはっきりした目的がなく、物に対するこだわりもない。
Xゼネレーションはグランジ・ロックの愛聴者でもあった。
こないな世代を写しとった青春映画も何本かあるけど、そんな中で特に音楽ファンの間では今でも話題になってるんが今作品。
Xゼネレーション世代かな?のウィノナ・ライダーが、とまどい多き青春像を演じてみせてた。
大学を首席で卒業したリレイナ (ライダー)。
卒業式の壇上で
『ベビ ブーマーたちは今やBMWに乗る生活を送り、私たちの世代に責任が委ねられました。
でも、今、私たちに出せる答えは何もありません』
なんてスピーチする。
大学を卒業した若者たちは就職氷河期に突入。
リレイナはか ろうじて放送局のアルバイトについているが、仲間たちも恵まれない環 境にいる。
GAPで働くヴィッキー(ジャニース・ギャロファロ)、
アルバイトを適当に渡り歩くミュージシャン志願のトロイ(イーサン・ホーク)、
どこか臆病なサミー(ステ ィーヴ・ザーン)。
リレイナは彼らの姿をいつもカメラに収めてるけど、車の事故で知り合ったMTVのヤッピー、マイケル(ベン・スティラー、監督も担当) 作品を認められる。
マイケルはビーター・フランプトンの1979年の大ヒッ ト・アルバム
『フランプトン・カムズ・アライヴー』
を聴いて青春が変わったと云う。
一方、リレイナたち はコンビニでザナックの1979年のヒット曲
『マイ・シャローナ』を聴いて踊り出す。
友人と車に乗る時はスクイーズの1981年のヒット曲
『テンプ テッド』を歌う。
こないに70年代後半から80年代前半 のロック(サントラ盤では新録音のものもあり)と並行して、
レニー・クラヴィッツ
ザ・ポウジーズ、
ビッグ・マウンテン等々
90年代の人気アーティストの曲も登場してる。
ビッグ・マウンテンはビーター・フランプトのかつての大ヒット
『ベイビーアイ・ラヴ・ユア・ウェイ』を歌って人気となる。
この映画から登場した新人として注目されたのがリサ・ローブで、主演の イーサン・ホークが彼女を発見👀。
リサのソフトなナンバー
『ステイ』もヒットした。
そのホーク自身も自分 の情けなさを 『アイム・ナッシン』で歌ってみせてる。
大学を卒業したのに、希望の仕事につけないという設定。
コミュニケーションが苦手なリレイナとトロイとのじれったい恋。
人生(リアリティ)は厳しい(バ イツ)と感じながらも、自分の道を手さぐりで探す若者たち。
作りは青春ドラマ然やけど、 それを90年代の気分で見せきったとこが支持されたんかな。
MTVを見ながら育った世代の等身大の青春像がいきいきと描かれてた。
よく登場する粒子の荒いリアルなビデオ映像も現代的かな。
監督・主演のスティラーはMTVの
『ベン・スティラー・ショー』
で人気者になった才人。
当時、ウィノナ・ライダーの恋人だったミュージシャン、ソウル・ アサイラムのデイヴ・バーナーもゲスト出演してました。
まぁこの時代の音楽が好きな方には垂涎モンの映画やと思いますし、私的ながら小生も楽しめました。
kuu

kuu