るい

HANA-BIのるいのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
3.9

花火があがったそのあとに


北野武の生きる事への解像度どーなってんの。私ほんと黒澤明とか内田吐夢が描く人として生きる苦しみとか力強さとか好きなんですけど、ほんとそれに近いものを感じる。

あの世代って戦争経験した世代だからね、実体験として生きるか死ぬかを経験してるからそういうの描くのうまいんよね。でも現代人でもちゃんと描けるやん、すごいよほんと。

今回の面白さは、西という人物の二面性。一人の人間に二つの物語があって、でもその二つはバラバラではなくて両方西なんです。凶暴なのも彼、優しいのも彼、その人間が選択する生き方があのエンディング。ほんと素晴らしいわよ。相変わらず終わり方がうますぎて鳥肌たったわ。

画面の作り方はとてもシンプルだけど独特。出てくる人物も全員が印象に残るような演出、でも邪魔にならないバランス。あいだにはさまる不思議な絵もビートたけしが描いてるんよね。ほんと多才。

ヤクザぶっとばしたり、拳銃で撃ちまくったり。方や妻にケーキ2つあげたり、トランプ当てゲームしたり。相容れぬような人格なのにちゃんと一人の人間として描ききってる事にとても感心しました。

私は早くソナチネを見たいぞ!!!
るい

るい