ベビーパウダー山崎

恋ごころのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

恋ごころ(2001年製作の映画)
4.0
演劇と日常が地続きになり、舞台上で六人の男女(+母親)の空騒ぎがあれよあれよと決着してしまう出来すぎなラストが最高。深刻な愛や憎しみを虚構としてもう一度立ち上げる、リアルさに非現実な世界が交じるそれがリヴェットの「映画」。リヴェットは歳を重ねるほど「物語」が強くなり、映画がしっかりと閉じていく。中年や老人ほど楽観的で、未来がありそうな若者ほど絶望している。劇場は迷宮、探索と発見、恋敵なはずの二人の女性が共闘してしまうのも実にリヴェットらしい。