あとくされ

最強のふたりのあとくされのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
3.8
フランスの社会保障問題を背景にしつつ、障害者への同情的ではない関係を結ぶことのできるのが、低所得者層であるというなんとも皮肉なドラマ。
(教養のあるはずの高所得で上流な人々が非刺激的なのだな。これがなんとも。)

本作では刺激が重要な観点になっている。象徴的な位置を占めている、と言っていいだろう。
刺激を与えることが大切な障害者。彼に雇われた有色人種男性。
ユーモアがある黒人の彼は、障害者に対してシリアスに接してこない。
そこが素晴らしい。
なにせシリアスに障害者に接するということは、刺激を与えないようにする態度だからだ。
刺激がないということは変化がないことである。現代は刺激を与えないためのクッションがあまりに多い。社会制度しかり、プライバシーしかり。個人の概念でさえ刺激を享受することを邪魔だてする。
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