ろいろい

機動警察パトレイバー2 the Movieのろいろいのレビュー・感想・評価

4.9
💠favorite line💠
"だから!遅すぎたと言ってるんだ!!!!!"

🎞️story&information🎞️
2002年冬。
横浜ベイブリッジに謎のミサイル投下。
報道はそれが自衛隊機であることを告げるが、該当する機体は存在しなかった。
これを機に続発する不穏な事件は警察と自衛隊の対立を招き、事態を重く見た政府は遂に実戦部隊を治安出動させる。
東京に<戦争>を再現した恐るべきテロリストを追って、第2小隊最後の出撃が始まる――。


監督は押井守。

宮﨑駿が高評価したことで有名な作品。
"どうやって作ったのか考えたくなくなるほどの映像表現に感心し、(押井監督と)同じジャンルで競合するのは辞めよう"と話していたほど。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
1993年に上映されたロボットSF警察映画。
TV版・New OVA版に連なる世界戦でシリーズの完結作。
そして、押井作品の中でもトップを争う名作と名高い傑作。
見るタイミングは初期OVAと劇場版1作目を観た後であればいつもで良い。

舞台は2002年の東京。
謎の戦闘機の横浜ベイブリッジ爆破を皮切りに緊張状態になる日本。
警視庁特車二課の後藤は裏で犯人の捜索をはじめるが、、、、
というもの。

公開の前年にPKO法案が可決されたこともあり、何かと物議を醸すことになったことでも知られている。
土台は初期OVAの5話と6話目にあたる「二課の一番長い日」。
世界中で起こっている悲惨な現実から目を背け、米の傀儡となることで飛躍的な経済成長をしたという事実。
そして、そんな日本の東京で「戦争」が起きたらどうなるのか。
という挑発的なテーマを追求し、徹底的にリアルに描いたのが本作。

音、作画、ストーリーの全てがシリアス極振り。
押井本人の持つ「都市論」をベースに、都市部への毒ガス攻撃、縦割り行政とセクショナリズム、在日米軍、メディアの信憑性などの私たちが目を瞑っているだけで本質的に日本が孕んでいる問題が内戦状態へと導いている構成。
個人の思想から始まる虚構性の暴露と戦争勃発。
とにかく全てシリアスで脳が揺さぶられる。

注意して欲しいのが、本作品はあくまで後藤をメインに話が展開されていること⚠️
「特車二課」の若者たち(主人公)たちはほぼ活躍しないし、出番もない。

そしてラストの南雲しのぶはどのような思いで犯人を逮捕したのだろうか。
後藤はそんな彼女を見て何を思ったのだろうか。

自分の正義を果たすために動いた大人たちの苦悩を味わえる珠玉の一品。
万人受けはしないけど気になった人はぜひ。願わくば多くの人々に見てもらいたい。

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story:amazon prime参考
information:Wiki参考
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