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春の雪のeop421のレビュー・感想・評価

春の雪(2005年製作の映画)
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原作を何度も読んでいる者から言わせてもらえば、原作を元にした別の話しと考えたほうが良さそうです。映画は尺の問題と原作を知らぬ人にも分かるように作る必要があるのは理解しています。ですが、原作にはないセリフでしかも話しの性質が違う意味を帯びてくる辺り、複雑な気持ちになります。三島由紀夫が観たならば、何と思うだろうか?と…。蓼科の自殺のシーンにはビックリ…。本来ならば自分を責めて自殺するのが、伯爵を呼出すための狂言になっておりこれでは意味がぜんぜん違うよな、と。まだケチをつけたくなる所は色々と。清顕の役が妻夫木聡なのも疑問。野暮ったい感じで原作のイメージと程遠いと感じました。映画観る前からなんで彼なんだ?とは思ったけどやはり、でした。聡子役の竹内結子は本当に綺麗でした。棺のシーンはその後の彼女のことを思えば複雑な気持ちになりますね。大御所の女優3人(大楠道代、岸田今日子、若尾文子)の演技を観れたのは良かった。こういう人達の演技を観ていると安心しますね。作品はどうあれ役者として素晴らしいと思いました。あと、エンドロールの曲が作品に不釣合いで興醒め。売れてる歌手の歌使えばいいってもんでもないのに…。なんでわかんないのかな?
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