まぐろさばお

エデンの東のまぐろさばおのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.8
カザンは個人的に好きなせいもあるけれどやはり凄いと思う。極めてシンプルな題材で「僕は善い人間なのか悪い人間なのか」ほぼそれだけで映画を作れてしまう。
人間の感情を描くというただそれだけの事だけでどれほど映画とは面白いものなのかを強く再認識させる強烈な磁場を持つのはエリア・カザンくらいしか思いつかない。

淀川長治さんがI hate youの時のディーンの魂の震えを評価しているけれど、そのシーンだけではなく、あらゆるシーンが普遍性と純度の高い感情のきらめきが刻まれている。複雑な設定も難しい話も必要としていない。私たちが日々生きている事自体がドラマであり、サスペンスであり、ミステリーであり、アクションであり、ホラーでもあるのである。
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