白黒なのに夏の日差しを強烈に感じられるのはなんなんだ。額に汗して働く姿の美しさよ。そしてラスト、、、、個人的に「夏映画」の生涯ベスト級に躍り出たと思う。
青春キラキラ映画でもあり、労働のお話でもあり、お金のお話でもあり、その他いろんな要素がてんこ盛りなのに、散漫にならず絶妙なバランスでラスト、主人公の二人に収斂していくまとめ方がすごい。
(どんでん返しやら伏線回収病、後出しジャンケン病でもなく)
おそらく、左翼映画だったとしても男女観はかなり古かったであろう当時、
喫茶店で待つ丘さとみが江原真二郎が着いたら相手と自分に扇子を仰ぐ仕草が好きだったし、二人が並んで中華そばをがっつく、そしてラストの並ぶシーンが印象的で、男女同列を狙ってやってたとしたらすごい。
このお話、現代的に読み替えると「海猿」が近いと思うのだけど、あの加藤あいの仕草さや立ち位置がこの映画より退化しててなんか笑える。そして、海猿が50年後、60年後も残って後世の受け手たちを感動させられるのか本当に心配。